5歳児クラスの担任になった保育士さんに伝えたいこと【その4】

5歳児クラスの担任になった保育士さんに伝えたいこと【その4】

前回は、5歳児の成長発達についてご紹介してきました。行動面以外にも、社会性や芸術性も飛躍的にアップするのが5歳児です。では、それぞれを詳しく見ていきたいと思います。




ちなみに、こういった保育に関する情報は、保育系のサイトでもゲットすることができます。

学生のときの教科書を引っ張り出してくる・・・となるとなかなか大変ですよね。ウェブサイトであれば新しい情報も入手できるので、ぜひいろいろ調べてみてくださいね。

私が普段よく見ているのはこちらのサイトさんです。>> 保育士求人




5歳児クラスの担任になった保育士さんに伝えたいこと

5歳児クラスの担任になった保育士さんに伝えたいこと


造形表現は立体的に

造形表現でも、5歳児になると新しい段階に入ってきます。それは、制作物をつくる場面で、つくり出す前にこれからつくりたいものをイメージします。ちゃんと「タテ・ヨコ・ナナメ」などを確認しながら、制作物をつくろうとしていきます。これらは5歳児になって、空間の認識ができるようになった証拠のひとつでもあります。

 

豊かになる自我と社会性

社会性を培う世界が豊かになっていくのが5歳児です。4歳児までは、とにかく「元気いっぱい」な子どもといった印象も強いものですが、5歳児になると協調性がみについていきます。それにより、落ち着いて過ごすということができます。

また、協調性がみについてくると、友達を励ましたり、評価したりすることができます。

5歳児になると、毎日の生活のなかでは、身の回りのことが一人でできるようになります。しかし、すべての子どもが一様に何でもできるとは限らないものです。とはいえ、身の回りなかで苦手なことがある子どもに対しても、5歳児クラスの子どもたちはあまり保育士に助けを求めようとはしません。むしろ、子ども同士で助け合おうとします。保育士は、そのような子どもたちの様子を見逃すことなく、温かく見守っていきましょう。さらに、子どもたちを多くほめることが大切です。

それによって、協調性を身につける子どもが増え、30人という大人数のクラスであっても、1つの集団としての生活がしやすくなっていきます。さらに、子どもたちに自信が生まれ、進んで自分でできることをやろうとするでしょう。

 

5歳児クラスの担任が注意するポイント

保育園の「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」としての自覚を!

保育園でも最年長クラスとなる5歳児には、積極的に保育園の年下の子たちとかかわる機会を設けましょう。自分よりも小さいこのお世話をする経験で、自分の方が年上だという意識が生まれ、相手を労わったり手助けしたりする気持ちが育まれます。それにより、「お兄ちゃん」、「お姉ちゃん」としての自覚が生まれていきます。毎日の活動には、少しでも年下の子とかかわる時間を取り入れるように意識しましょう。

 

ルール学びには「まず大人から」の姿勢を

ボキャブラリーが増える5歳児は、物事も深く考える力を身に着けていきます。これにより、今までなら素直に聞けた指示であっても、突然聞き入れてくれなくなることも少なくありません。「ルールを守りましょう」と指導しても、肝心の保育士自身がそのルールを守っていない姿を、子どもたちはよく見ているものです。なかには「せんせーだって守ってないよ!」と、鋭い指摘で返されてしまうこともあるでしょう。

 

ルールを守る大切さを教えるには、まずは大人がお手本としてやって見せることが大切です。たとえば「廊下を走らない」、「外から戻ったらすぐに手洗いする」など、忙しさからつい保育士も忘れがちになりますが、保育園でのルールをまずは保育士自身が進んで守ることを心がけましょう。

 

意識したい「小学校入学を意識した指導」

5歳児は、翌年度に小学校入学を控えています。そのため、ひらがなの読み書き、数の数え方などを5歳児の保育に取り入れる保育園が少なくありません。まずは、鉛筆を正しく持つことができるように指導していきましょう。卒園までには、自分の名前を読み書きできるように指導できれば、さらにいいのではないでしょうか。

また、今までは当たり前だった保育園の風物詩ともいえる「お昼寝」ですが、小学校に入学したあとの生活リズムをにらんで、あえて5歳児クラスでは実施しない保育園もあるようです。

ただし、突然生活リズムが変わると、それだけで不安定になってしまう5歳児も少なからずいます。保育士は、一人ひとりの様子に配慮し、小学校の生活リズムに少しずつ合わせ、柔軟な対応を心がけましょう。

 

著者プロフィール

三重県に住んでいます。30代後半、パートのもっと年上のベテラン保育士さんを見ていると、まだまだ新人保育士さんには負けてられません。

ブランクからの復職経験者として、後悔していること、やってよかったこと、いろいろお伝えできればなと思います。

 

まとめ

「さいたま市幼児教育の在り方に関するアンケート調査」(さいたま市、2012年)によると、「小学校入学に向けて不安があるか」という質問に対して、「ある」と回答した保護者は、全体の8割以上になりました。保育園から小学校への進学は、非常に多くの保護者が不安を感じずにはいられないことです。

逆にいえば、保育園で小学校進学を見据えた援助ができれば、保護者の大きな不安を少しでも解消することができるのではないでしょうか。

5歳児自身にとっても、スムーズな小学校での新しい生活への移行ができるように、5歳児クラスでは保育士が細やかなサポートをしていきたいものですね。

5歳児クラスの担任になった保育士さんに伝えたいこと【その3】

5歳児クラスの担任になった保育士さんに伝えたいこと【その3】

5歳児は、3次元をうまく扱う力が発達してくる時期ですが、それにともなって日常生活で出来ることも飛躍的に増えていきます。

具体的にどんなことができるようになるのか、見ていきましょう。

5歳児クラスの担任になった保育士さんに伝えたいこと

5歳児クラスの担任になった保育士さんに伝えたいこと


生活全般は自分の力で

着替えも1人でスムーズにできるようになり、食事も上手にお箸をつかって食べられるようになるのが5歳児です。

また、排せつの場面でも、お尻を拭くところまで自分の力でできるようになります。生活習慣のほとんどの基礎が出来上がるといえるでしょう。

 

バランス感覚はより発達!

腕や足の筋肉だけでなく、5歳児は全身の筋肉がさらに発達して、運動機能が向上します。なかでもボールを相手の位置に投げられたり、飛んできたボールをしっかりと受け止めたりできるようになるため、みんなでドッジボールを楽しむこともできるでしょう。

また、身体のバランス感覚がさらに発達するため、ブランコでは立ち漕ぎをしたり、上手に平均台を渡ったり、縄跳びもいっぱい飛べたりできるようになって、5歳児の遊びの選択肢は一気に広がることでしょう。

 

ルールを認識する力も

5歳児は言葉を理解し、それを行動に移すことができます。そのため、二手に分かれて関係をもつ世界を理解できるようになるでしょう。さらに、その二手がそれぞれのルールをつくって、やりとりすることもできていきます。

具体的には、見方と敵、買い手と売り手、聞き手と読み手などがあります。自分の世界と相手の世界の関係が豊富になるため、ルールによるやりとりによって、遊びの幅が広がっていきます。これらの関係を理解できるようになることで、役割を交代できるようにもなります。集団のルールを守って生活できるようになることで、一段と集団での遊びが盛り上がるのではないでしょうか。

 

広がる言葉の幅

話し言葉に「えーとねー」とか「あのね…」と文脈をつけようとするのが5歳児です。また、おじいちゃんに「ジージー」というような、いわゆる幼児語を話さなくなります。幼児語を話さなくなる5歳児は、会話するなかで必要になる生活語を、毎日の生活のなかで耳にする大人の会話、歌やコマーシャルなどから身につけていきます。さらに、生活的な感情を自分で考えた言葉で表現しようとしたり、相手の話に対しても自分の言葉で答えようとしたりします。

5歳児が突然大人びた言葉をつかうようになって驚く場面も、5歳児のクラスでよくある話のひとつですね。それだけ5歳児は大人の会話を注意深く聞き、自分の言葉に取り入れて表現していることがわかります。さらに、大人に対しては大人用の言葉を、赤ちゃんには赤ちゃん用の言葉をつかえるようになり、ちゃんと相手を見てそれに応じた言葉づかいができるようになるのも5歳児の特徴と言えるのではないでしょうか。

たくさんの語彙を獲得し、会話そのものが楽しくなってくる5歳児は、ストーリー性が高い物語を読んでもらうことが、今まで以上に好きになります。そのため、5歳児には少し長めの絵本を読み聞かせる機会を増やすのもオススメです。

著者プロフィール

三重県に住んでいます。30代後半、パートのもっと年上のベテラン保育士さんを見ていると、まだまだ新人保育士さんには負けてられません。

ブランクからの復職経験者として、後悔していること、やってよかったこと、いろいろお伝えできればなと思います。

 

まとめ

いかがでしたか?この前までこんな遊び方できなかったのに!という驚きがたくさんありますよね。

年下のこどもたちの面倒をみたり、自分たちでルールを決めて遊んでいたり、とても頼もしく見えると思います。

まだまだ、これ以外にも5歳児ができるようになることはたくさんあります。次回は引き続き、5歳児の成長発達についてご紹介いたします。

5歳児クラスの担任になった保育士さんに伝えたいこと【その2】

5歳児クラスの担任になった保育士さんに伝えたいこと【その2】

5歳児の特徴として、「発達的三次元」という言葉がよく使われます。5歳児は、3次元のなかでも、「時間」、「空間」、「力」の理解が進むのが特徴です。具体的に、5歳児の発達の内容をご紹介していきます。

5歳児クラスの担任になった保育士さんに伝えたいこと

5歳児クラスの担任になった保育士さんに伝えたいこと


時間の変化を理解するとは?

過去・現在・将来についての理解すること、それが時間の変化を理解するということです。それにより、5歳児との会話では、前日にあったことをちゃんと話せたり、「4歳の誕生日でもらったプレゼント」、「将来は○○になりたい」など、時間を把握した会話が成り立ったりしていきます。

 

空間の変化を理解するとは?

前後や横の空間について理解すること、それが空間の変化を理解するということです。それにより、保育のなかで5歳児たちを整列させたい場面で、保育士が声をかけるだけでちゃんと整列することができるようになります。

 

力の変化を理解するとは?

力の入れ方、強い・弱いなど感覚として力の加減を理解すること、それが力の変化を理解するということです。それにより、保育園の活動で手を叩いたり、合奏したりするときに、「○○ちゃん、もう少し元気よく」といえば、楽器の鳴らし方を大きくすることができるようになります。

さらに、発達の3次元の力が芽生えることで、跳び箱や鉄棒、縄跳びなどの運動にも挑戦できるようになります。

わたしたちからみれば、これらの遊びは簡単に感じると思いますが、実はこれらの運動は3次元の力があってはじめて成り立つものです。力の入れ方を強・中・弱、または長・中・短の3段階で調節しはじめ、さらにタイミングよくそれらを力で制御できるようになるのです。

これらの力を上手につかうことができるようになると、スキップなどの複雑な動作ができるようになっていきます。さらに、投げたり受けたりする運動にも、初期のコントロールができるようになっていきます。

 

著者プロフィール

三重県に住んでいます。30代後半、パートのもっと年上のベテラン保育士さんを見ていると、まだまだ新人保育士さんには負けてられません。

ブランクからの復職経験者として、後悔していること、やってよかったこと、いろいろお伝えできればなと思います。

 

まとめ:次回→急速に伸びる思考力や判断力

急激に記憶力や集中力がついてくるのも5歳児の特徴です。そのため、集中して一定の間は相手の話を聞くことができるようになり、1つの活動に対しても集中して取り組む場面が増えてくることでしょう。

そのため、5歳児を受け持つと、保育士も他の年齢の子どもよりも5歳児が大きく成長している様子を実感できる機会が増えていきます。

また、子どもによって多少個人差こそありますが、「数」の意識が身につきます。1~10まで数えられるようになったり、「5個ちょうだい」というような指示にも対応したりするようになります。

さらには、大小や長短などを比べることができるようになります。それにより、「背が小さい順に並んで」という保育士からの指示も、ちゃんと理解できるようになっていきます。

次回は、これらの思考力・判断力が具体的にどのように発達していくのか?そのためにどのような援助が必要なのか?ということについてご紹介いたします。